■心理カウンセリング
「心理カウンセリング」というと、時折このような声をお聞きすることがあります。
・病気でないのに心理カウンセリングを受けることに抵抗がある
・心理カウンセリングとキャリアカウンセリングの違いがわからない
・自分自身のことを話すことが少し怖い…
確かに、家族や友人にはいろいろ悩み事を話すことはあっても、いざ話す相手が“カウンセラー“ともなると、少しハードルが高いような気がするかもしれませんね。
でも、どうぞご安心ください。
心理カウンセリングは「自分自身を大切にしてあげる」ことにつながります。
心理カウンセリングは自分の内面を見つめ、抱えすぎていた荷物を下ろすことが出来たり、長年囚われていたことに気づいて新しい視点を持つことができます。
■キャリアカウンセリングと心理カウンセリングの違い
キャリアカウンセリングと心理カウンセリングの違いを簡単に説明すると、キャリアカウンセリングはキャリアに関すること、心理カウンセリングは心に関するカウンセリングです。
例えば、「就職活動を始めたいけれど、やる気が出ない」といった相談がありました。
このようなご相談は、キャリアカウンセリングと心理カウンセリングの両方の要素がふくまれます。
カウンセラーは、ご相談者お話しを丁寧に伺い、何に一番困っているのか・目標は何かなど、共感しながら進めていきます。
加えて、キャリアカウンセリングと心理カウンセリング、どちらの要素が強いかを探りながら解決の方向へ向かいます。
例のご相談者のお話しの中では、「自分で物事が決められない」という言葉がでてきました。
①キャリアカウンセリングが強調されるケース
「自分で物事が決められない」ということを深く伺っていくと、
「これまで親の言うとおりに従ってきた。今までの自分で何かを決める経験が少なかったから、受ける企業が選べない」
と話してくれました。
(本来はもっと丁寧にお話しをお聴きしますが、文面では端折り気味に書きます。ご了承ください)
このお話に対してのキャリアカウンセリングでは、就職先を見つけることを目標として、自分で選択させるための支援やアドバイスに焦点があたります。
そして、自分で選択できるようになるための方法や企業情報の収集方法などを支援し、相談者が達成したい期限までに、相談者に伴走する形で目標を達成していくことになるでしょう。
②心理カウンセリングが強調されるケース
一方、心理カウンセリングでは、「なぜ親の言うとおりに従わなくてはならなかったのか」に焦点があたります。
さらにお話を伺っていくと、頑固で自分本位な父親の存在から家族が機能不全となっていて、そこで自分が父親のいうことに忠実に従って家族の調和を図ってきたということがわかりました。
この方は幼少期から家族のために精神的に働き続けてきたのです。
自分のためではなく家族のために生きてきたのですね。
専門的な能力を持っているのに自信が無いようにも見えます。
以前このような場面に遭遇した時に、私はこう言葉をおかけしました。
「小さい時から家族のために働いてきたんですね。本当に大変でしたね。お疲れさま。もうその役割は降ろしていいんじゃないでしょうか」
するとその方は、父親への怒りでしばらく興奮したように家族のことを話していましたが、だんだんと
「もう家族のことではなく自分のことを考えてもいいんだ」
という風に考えが変わってきたようでした。
深くお話しを聴いていくと、こちらのご相談者は「親との関係で何らかのトラウマを抱えている、アダルトチルドレンと言われるものでした。
ご本人からアダルトチルドレンを克服したいという相談ではありませんでしたが、自分で自分のことを選んでもいいと考えが変わってからは、前向きに就職活動に取り組めるようになりました。
トラウマを癒すにはしばらく時間がかかります。
しかし、重荷を下ろしたことで、行動の足取りが軽くなったご相談者は表情も明るくなっていきました。
心理カウンセリングは、相談内容によって、またはご本人の希望によって、その方の抱えている根本に触れることがあります。
時に蓋をしていた気持ちが表にでて、予想もしなかった感情が出てくるかもしれません。
でも、心配しないでください。
カウンセラーはどんな気持ちにも寄り添います。
怒りたいときは怒ってください。悲しい時は泣いても大丈夫です。
どんな感情を持っていても大切なあなたです。
心理カウンセリングは、
自分自身を大切にすること、また健やかで豊かな人間関係が築けるようになることをお手伝いします。
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